#藤浪晋太郎 #抜け球 #横振り

いやー、今年の阪神は強いですね。

天下無双、豪腕剛打、天衣無縫、九蓮宝燈だ。

ファンとしては、もう安心しちゃって、野球放送を見る気にもならない。


そんな絶好調な阪神であるが
エース藤浪晋太郎がコロナ陽性になったそうで
これは、阪神にとって凶報であろうか?

 

ところで
藤浪晋太郎は、なぜ、あんなにコントロールが悪いのか。
これが今日の主題だ。

 

藤浪は、高卒ルーキーから3年連続で10勝以上をマーク。潜在能力は、折り紙付きだ。
佐々木朗希と同じくらい期待されていた。

しかし、ここ数年の成績は、皆さんご存じのとおりだ。
ただ、去年&今年と、開幕投手を任され、首脳陣はまだ期待している。


藤浪の魅力は、なんといってもスピードボールである。
エンゼルスの大谷や、完全試合佐々木朗希には及ばないが
彼らと比較することが許されるスピードボールである。

以下、SBと表記する。

10勝以上をマークしていた頃の藤浪のSBは、
バッターがSBを予測して待っていても、かすりもしない。
そんなボールだった。

その精度が落ちたのは、「楽な球」スライダーを覚えたからか?

 


藤浪凋落。その原因は、SBの「抜け球」だ。

 

そも「抜け球」とは、なんぞや???
簡単に言うと「コントロールミス」である。

 

 

「コントロールミス」にも各種ある。
われわれ素人が草野球のピッチャーをやる場合
キャッチャーが構えたミットをめがけて投げても
上下左右。どちらの方向にも、ランダムに外れる。
これは、単に「技術が未熟」な故のコントロールミスだ。

藤浪の「抜け球」は、藤浪から見て「右斜め上」の方向に外れる。
その幅は、40~50センチ。酷い時には1メートルにも達する。
下手をすると、右バッターの頭部に死球を与えかねない危険球だ。

 

藤浪の「抜け球」は、「右斜め上」と決まっている。
草野球のコントロールミスとは別の「病気」なのである。

病気ならば、原因を究明し、

治療を施せば治る可能性がある。

そして、僕は、その原因を知っている(気がする)。


藤浪晋太郎は、オーバーハンドスローのピッチャーである。
高い身長を生かし、腕&手&ボールを高い位置に挙げ、
高い位置から、真っ向、投げ下ろすことで豪球を投じるタイプだ。

 

ところで、人間の骨格上、真上から真下に
時計の文字盤に例えると、
12時から6時に投げ下ろすことは不可能だ。
(仮に可能としても、その場合、肩の回転運動によるエネルギーが使えず、球の威力は半減してしまう)
右投手の場合、右肩の上から、左腰の横へ、斜めに投げ下ろす。
最低でも10度から20度の傾きが出来るのは不可避なのだ。
(ココに関しては、物理学の観点から、解説したいことが沢山アルのだが、今日は控えておこう)

 

 

例えば、藤浪の骨格と筋力と投球術を綜合すると
20度の傾きが最適だとする。(実際は、もっと広い)

 

毎回、間違えなく20度の傾きで投げれば
確実に、コントロールは良くなり、抜け球はなくなる。
藤浪の欠点は、自分では、毎回20度で投げているつもりが、30度、40度になってしまうことがある。という投げミスだ。
これが、抜け球を産む。

 

藤浪の腕の角度が大きくなるとは、
現象としては、腕が下がる。腕が横振りに近くなる。
サイドスローで成功している投手もいるのだから一概に否定はしない。
昨日の佐々木朗希の準完全試合の映像で確認したが
佐々木朗希は、約45度外れている(実は、普通のことなのだが)
藤浪の場合、意図的ではなく、ミスで投げているのが問題なのだ。


では、なぜ、横振りになってしまうのか?
僕は、その原因を知っている。
阪神の投手コーチ、藤浪自身は、気がついていないのか?

ココも物理学を駆使して説明したいのだが
クドくなるの、ザックリと説明する。

 

松坂大輔が解説していた投球の基礎に基づくものである。
松坂のエッセンスは、ピッチングにおいて重要なのは
ホームベースから2塁ベースに引いた線を意識すること。

 

もちろん、その線上に、ピッチャーが立っている。
実際には、ピッチャープレートには幅があり、
1塁側を使う投手、3塁側を使う投手もいて
完全に、線上とは言えない場合もある。
その場合には、2塁ベースを頭から消して
ホームベースとピッチャーを結んだ線を、後に延長した線を頭の中に描いてみよう。
ここでは、これを「基本線」と呼ぶことにしよう。

松坂の基礎理論では、この「基本線」が重要になる。

 

ピッチング開始前の準備姿勢では
ボールはグローブの中で、両手は体の正面。
両足、腰、肩の向きは、全て基本線に一致する。
投球開始で、左膝を挙げ、左足を基本線に沿って、前に踏み出す。
それと同時に、両腕を180度広げる。
もちろん、左手はホームベース側に、右手は2塁側に。だ。
その際、腕の向きも、基本線上。

基本線を外れてはならない。

 

左足を勢いよくホームベース側に踏み出し
ボールを持つ右手は、なるべく2塁側の遠くに置いて
左足との距離を長く取る。
体が、基本線上で伸びきった状態になる。
伸びている。ということは緊張している状態。
この伸びた状態を瞬時に短くすることで、
大きなエネルギーを生み、それをボールに伝えて強いボールを投げることが出来る。

 

その際、ボールは、基本線上を移動するのが
エネルギーロスが一番小さい。
だが、20度の傾きは避けられない。
これは、甘受しなければならない。

 

ボールは基本線から、3塁側に、若干、外れるのだ。
逆に、1塁側に外れることはない。あってはならない。
3塁側に外れるのは、不可避なエネルギーロスだが
1塁側に外れるのは、本当にムダなエネルギーロスでしかない。

 

 

そこで、藤浪晋太郎である。
藤浪の特長として、高身長が挙げられることが多いが
意外と知られていないのは、肩甲骨の関節の柔らかさである。
これも、物理的に解説可能なのだが、解説を省いて
とにかく、強い球を投げるのに、有利な身体的特徴だ。

 

だが、藤浪は、関節が軟らかいが故に、悪癖がある。
投球動作のはじめに、両手は180度広げるのが理想だ。
ところが、関節が軟らかい藤浪は、200度開いてしまう。
現象としては、右腕が、基本線から逸脱して、一塁側に出てしまう。
右腕が、基本線上にあったら、
腕と手は、体に隠れて、ホームベース側からは見えないはずである。
藤浪の場合は、ホームベース側から見て、腕と手が、背中側に見える。
この動きは、端的にムダである。

 

藤浪は、180度よりも、200度の方が体を目一杯に使えて、より強い球が投げられる。

と誤解しているかも知れない。
阪神の投手コーチも同じ幻想を抱いているのかも知れない。
しかし、チコちゃんは知っている。


確認しよう。
右手とボールは、基本線上を通るのが理想だが、

実際の投球では不可能なので

3塁側に外れるのは、やむを得ない。

だが、1塁側に外れるのは、ただのムダな動きだ。
藤浪は、投球の序盤で、その誤りを犯している。

1塁側に外れた右手は、基本線に戻さなければならない。
1塁側から3塁側への横の動きが必要となる。
正しい投球でも、右手は、やむを得ず基本線から3塁側に外れるが
この動きで勢いが付いて、必要以上に3塁側に離れてしまう。
これが、横振りである。

藤浪晋太郎は、投球当初、腕を広げる際に
肩甲骨の関節を意識して、180度に押さえ
ムダに広げないようにしなければならない。
この一つの動きで、抜け球はなくなり
真のエースに戻ることが出来るだろう。

阪神は、僕か、松坂大輔を、藤浪専属投手コーチに雇うべきである。